家族会報告②『いい加減でいきまっしょい』
前回に引き続き、家族会での話です。

ご家族にお渡しする記録に『スマイルポイント』として、その日の素敵なエピソードをご報告しているのですが「本当かしら、って思うくらい家とは違うんですけど」「ほんとですか」と聞かれました。ご家族からすると「こんなことがわからなくて…」「前はよくできていたのに…」と、不得手になってきたこと、理解が難しくなってきたことなどどうしても過去と比較してしまったり、なんでそうなるの?と戸惑いを超えてイライラになったりしてしまいますよね。残念ながら進行性のものである以上避けられない事実です。
事実は変えられないけど見方や捉え方を変えたらラクになるね、という話も出ました。
実際私たちスタッフもメンバーさんのキラリと輝く瞬間を逃すまいという意識がこのスマイルポイントによって強化されています。
とある小学校教師の話を新聞記事に見つけました。
この先生は帰りの会を、よくある「反省会」でなく「良いことをした友達を発表する会」にしていたそうです。子どもたちは友だちのいいところを見つけたい、と言い始め、クラスの雰囲気もよくなっただけでなく、家庭での行動にも変化があったことが紹介されていました。
我々スタッフ間でもお互いの良いところを「褒め合う」ことを定期的に行なっていたことがあります。自然と良いところ探しの意識が強くなるのは前述の子どもたちと一緒です。
先が見えない介護ライフだから「良い事探し」の視点をもつこと、「ま、いいか」と『×いい加減』→『○良い加減』に力を抜くこと、大切ですよね。
「それでも我慢できなくて、どうせ忘れちゃうからいいやって怒っちゃうの」
皆さん、そうそうと手を叩いて大笑い。
こんな素敵な仲間との出会いも『若年性認知症』がつないでくれたご縁と思えば悪くもないか、なんて言葉を交わしながら帰られた皆さんの表情がすっきりしてみえました。