2025.02.08 2025.02.18

『強化理論➀』について

tsumugi

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こちら☝の数が増えるだけ、GRASPismを発信したというシンボルにしたいと思いますので、お付き合いの程お願いいたします(笑)

前回までは、「自分の事は自分で決める」をテーマに自己決定論シリーズをお送りしました。

今回からは、特定の行動がその後の結果によって強化または抑制されることを説明する『強化理論』について解説していきます。

◆強化理論とは

強化理論（Reinforcement Theory）は、行動心理学の分野で、特定の行動がその後の結果によって強化または抑制されることを説明する理論です。この理論の基盤は、**B.F.スキナー（B.F. Skinner）が提唱したオペラント条件付け（Operant Conditioning）**にあります。

◆B.F.スキナー（Burrhus Frederic Skinner）とは

B.F.スキナー（Burrhus Frederic Skinner）は、行動主義心理学の分野で著名な心理学者であり、オペラント条件付けの理論を確立した人物です。

1904年にアメリカ・ペンシルベニア州に生まれ、ハミルトン・カレッジで英文学を専攻した後、ハーバード大学で心理学の博士号を取得し、後に同大学の教授として活躍しました。

スキナーの研究の核心は、行動がその結果によって変容することを示す『オペラント条件付け』にあり、行動を増やす「強化」と、行動を抑制する「罰」の概念を体系化しました。特に、報酬による正の強化や、不快な刺激を取り除く負の強化が行動の習得に重要であることを実験的に明らかにし、動物の学習行動を調べるための「スキナー箱」を用いた研究でその理論を実証しました。

また、行動が持続する仕組みを解明する中で、強化の頻度やタイミングが学習や習慣形成に及ぼす影響を整理し、強化スケジュールの概念を確立しました。

彼の理論は、教育、行動療法、組織マネジメント、福祉、スポーツなど幅広い分野で応用されており、プログラム学習の開発や、インセンティブ制度を活用した職場環境の改善、認知症ケアやリハビリテーションにおける行動支援などに影響を与えています。

また、スキナーは「自由意志は幻想であり、人間の行動は環境によって決定される」と考え、適切な環境設計によってより良い社会を構築できると主張しました。

1990年に86歳でこの世を去りましたが、彼の研究は現在も心理学、教育、行動経済学、社会設計など多岐にわたる分野で影響を与え続けています。

◆強化理論の基本的な概念

強化（Reinforcement）：行動の頻度を増やすための働きかけ。
- 正の強化（Positive Reinforcement）：報酬を与えることで行動を強化する（例：頑張った子どもにご褒美をあげる）。
- 負の強化（Negative Reinforcement）：不快な刺激を取り除くことで行動を強化する（例：宿題を終えたらゲーム時間を延長する）。
罰（Punishment）：行動の頻度を減らすための働きかけ。
- 正の罰（Positive Punishment）：不快な刺激を与えて行動を抑制する（例：悪いことをした子どもにお小遣いを減らす）。
- 負の罰（Negative Punishment）：望ましい刺激を取り除いて行動を抑制する（例：ルールを破ったためにゲーム機を没収する）。
消去（Extinction）：強化されなくなった行動が徐々に減る現象（例：おねだりを無視し続けると、子どもがその行動をやめる）。
スケジュール（Schedule of Reinforcement）：強化を与えるタイミングや頻度によって、行動の持続性が変わる。
- 連続強化（Continuous Reinforcement）：毎回強化する（例：毎回「ありがとう」と言われると嬉しくなる）。
- 部分強化（Partial Reinforcement）：一部の行動のみ強化する（例：時々褒められることでやる気が持続する）。