声をかけあえる街づくり
毎年恒例となった「やさしい街あざみ野実行委員会」の認知症イベントですが、今年は青葉警察署生活安全課からの講話をきく機会に恵まれました。

メンバーさんご家族から「夜中や明け方に出て行ってしまう」「自宅の認識がなく『家に帰る』と飛び出してしまう」「出先でふとした時に見失ってしまった」などといった体験談を今までたくさん聞いていたので、とても興味深く伺うことができました。
例えば道迷いの場合、聞いても名前や住まいの情報が断片的であるため、持ち物や衣服に記名や連絡先があると早くご家族の元にお帰りいただけるとのこと。
また、行方不明の場合は、時間がたつと困難さが増すため、早い通報がカギだそうです。
一人で何とかしようと思わずに迷わず「110番」又は「警察署」に電話して欲しいそうですが、最近ではGPS機器の活用や行政のSOSネットワークへの登録が非常に有効であるとのことでした。
ところで、青葉管内では、認知症やその恐れのある人の保護件数が全国の増加傾向とは逆に減少しているそうです。
これは、地域の方がひとりで歩いているご近所さんに声をかけたり「〇〇で見かけましたよ」などとご家族に知らせたりすること、見知らぬ人でも様子がおかしいなと感じたら「大丈夫ですか」「何かお困りですか」と声をかけることができる住民が多いのではないかと推察されているそうです。
素敵ですね、そんな街。グループワークでも参加者の多くの方が声をかけますとお答えくださいました。ただ、断られると次からかけにくくなったり、本当に助けが必要か躊躇してしまう、とも。自分は何もできないけれど、手を差し伸べてくれた人に対しで「ありがとう」が言えることも大事との意見には一同拍手。できる人ができることを、そしてその温かさが広がっていくと今度は自分が「助けて」といえるハードルも下がるのかもしれません。
日頃からの声掛け、近隣との挨拶、コミュニケーションなど地域住民の心がけが大きく影響すると聞くと、地域のつながりが希薄になっている昨今ひじょうに難しいことではありますが、社会づくりの大切さを改めて感じました。
趣味サークルなど小さなコミュニティの中でもよいので、人とつながり、もちつもたれつやさしい社会になったらいいね、挨拶と感謝から始めよう、とたくさんのアイデアが飛び出した会場内はやさしく温かい空気に包まれていました。