『強化理論➁』について
弊社のサービスのケア・支援についてお伝えしたいと思います。
パート☝☝☝☝☝☝☝☝☝☝、☝☝☝☝☝☝☝☝☝☝、☝☝☝☝☝☝☝☝☝☝、☝☝☝☝☝、☝☝☝☝☝、☝☝☝です!
こちら☝の数が増えるだけ、GRASPismを発信したというシンボルにしたいと思いますので、お付き合いの程お願いいたします(笑)
前回に引き続き、特定の行動がその後の結果によって強化または抑制されることを説明する『強化理論』について例を交えて解説していきます。
◆強化理論の基本的な概念を若年性認知症支援に活かす


1. 強化(Reinforcement):「もっとやろう」と印象づける方法
正の強化(Positive Reinforcement)(がんばったら、ほうびをもらえる!)
- 弁当箱洗浄の際に「Aさんが〇〇さんをいつもフォローしてくれて助かっています」と声を掛ける
- イベント時に「Aさんの歌声はヒーリング効果があるで賞」と賞状を授与する
- テニスで得点を決めた時に、メンバー全員で拍手をプレゼントする
- 料理の味見をして「もうちょっと甘みがほしいよね」と2名の人が共感してくれて自信になった
負の強化(Negative Reinforcement)(がんばったら、イヤなことがなくなる!)
- ウォーキングで30分歩き続けたら、すぐにティータイムの時間を取る
- 寝つきが悪いため気は進まないが、睡眠導入剤を服用することで入眠できた
- 弁当配達時に勇気を出してお客様に自ら接客したら、スタッフから接客行為を促されなくなった
- 10分の筋トレエクササイズの後には、その後のヒーリングタイムを設けてゆっくりできる
2. 罰(Punishment)「悪いことをしたら、好きなものがなくなる!」と印象づける方法


正の罰(Positive Punishment)(もうやらないほうがいいかな…)
- 食べ物で遊び始めたときに、少し時間を空けて再提供する
- 不適切な発言を繰り返したら、感情に働きかけ言葉遣いが不適切であることを伝える
- ウォーキング中に危険な行動をした場合、移動できる範囲を調整する
- 他の利用者の持ち物を勝手に触ったら、「これは〇〇さんの大事なものですね」と本人を交えて説明する
負の罰(Negative Punishment)(悪いことをしたら、好きなものがなくなる!)
- カラオケで問題行動が続いた場合、一時的に歌うことを見合わせる
- 危険な行動をした場合、一時的に閉鎖的環境で過ごし自由な移動を調整する
- 過剰な依存が見られる場合、一時的に関わりの頻度が少なくなり一人の時間が増える
- 場にそぐわない行動が続いたら、一時的に刺激の少ない場所で過ごすようになる
3. 消去(Extinction)(何ももらえなくなると、やらなくなる!)

- 不適切な要求(例:毎回身体接触を求める)に冷静な態度で応じず、要求頻度が減る
- 特定の行動(例:物を投げる)が続く場合、意図的に注目を集める反応を控えて効果がないことを示す
- セクシャル発言がある場合、女性スタッフが反応することなく毅然とした態度で関わる
- 過去の経験に固執する場合、焦点を現在の出来事に向けるよう活動をともにして誘う
4. スケジュール(Schedule of Reinforcement)(ほうびをもらうタイミングによって、やる気が変わる!)


連続強化(Continuous Reinforcement)(毎回良いことがある)
- ポスティングで「投函禁止を確認して対応できましたね」とできる度に声をかける
- デイサービスの取り組みの振り返りを手書きでまとめた際に、都度スタッフが内容に触れてコメントする
- 食後ゆったりと過ごすために、ヒーリングミュージックを流してリラックスする時間であると伝える
- 男性小便器の立ち位置が良い場合、「トイレの美化協力に感謝です」と行為に対しての感謝を都度伝える
部分強化(Partial Reinforcement)(時々良いことがある)
- 苦手なチラシ折がキレイに半分に折れた時のみ、「課題が克服できましたね、素晴らしいです」と称賛する
- 食後に下膳する時、本来の場所に下げることができた際に「この場所まで持ってきてくれてありがとう」と具体的に伝える
- ご主人が自宅で料理をする奥様にさりげないサポートでおかずを一品仕上げられた際に、「さりげないフォロー素晴らしいです」とご本人には聞こえないようひそやかに伝える
- ご自宅では攻撃的な言動が目立つ者が、穏やかな笑顔を発揮できた際にご家族に写真を送る
強化理論の基本的概念は理解できましたか。簡単にまとめると

・ 強化は、「もっとやりたい!」と印象付ける方法(正の強化・負の強化)。
・ 罰は、「もうやめようかな…」と印象付ける方法(正の罰・負の罰)。
・ 消去は、「やっても意味がない⤵」と印象付ける方法
・ スケジュールは、「これをすると良いことあるかも⤴」と印象付ける方法(連続強化・部分強化)。
このようになります。
人、物、金、自然、社会など、さまざまな要素で構成されているのが「環境」です。
私たちの暮らしは社会で生活するために、秩序とルールがあります。その中で最大限自分らしく生活することが求められます。しかし、人は不完全です。だからこそ、強化理論の基本的概念を理解することで、目の前で本来の力を発揮しにくくなっている方、若年性認知症の人が望んだ能力発揮のために、特に「強化」「スケジュール」は、大変有用な手段になると思います。
きっと、私たちの生活で無意識に使われている『強化理論』
これからは、意識して「この場合には強化を使っていたんだ」、「子供の教育では罰が多いな、ネガティブにならない範囲で上手に活用しよう」など活用し、技術として体得してください。
きっと、自分の言動を理論を通して説明できるようになるかと思います。
「強化理論」について、こんな考え方が他にもあります、現在活用中です、最新のデータはこちらです。等、みなさまからの情報がありましたら教えてもらえるとうれしいです(^^♪