『介護・医療・福祉分野は感情労働➀』について
弊社のサービスのケア・支援についてお伝えしたいと思います。
パート☝☝☝☝☝☝☝☝☝☝、☝☝☝☝☝、☝☝☝☝☝、☝☝☝☝☝、☝☝☝☝☝、☝☝☝です!
こちら☝の数が増えるだけ、GRASPismを発信したというシンボルにしたいと思いますので、お付き合いの程お願いいたします(笑)
前回までは、「若年性認知症の提唱から現在までの変遷」について解説いたしました。
今回からは、内容をがらりと変えて『介護・医療・福祉分野は感情労働』」についてご案内できればと思います。
◆感情労働の提唱者

アーリー・ホックシールド(Arlie Russell Hochschild)は、アメリカの社会学者で、特に感情労働や家族、ジェンダー、消費社会についての研究で知られています。彼女は社会学者として感情や感情労働が社会構造や個人に与える影響を深く掘り下げ、現代社会の複雑な動態を明らかにしました。
1979年に彼女の著書『The Managed Heart(管理される心)』では、特に感情労働について詳細に論じられており、労働がどのように感情の調整を含むのかを考察しています。
1. 感情労働(Emotional Labor)の定義


- 概念: 感情労働とは、労働者が業務中に特定の感情を表現したり抑えたりして顧客や同僚との関係を円滑にする行為を指します。
- 具体例: サービス業(例: 介護、医療、福祉分野の職員が対象となるご本人・ご家族の皆さまとコミュニケーションを介して関わる際など)対象者の対応時に笑顔や親切心を「振る舞う(演じる)」こと。
介護分野での具体例

- 利用者への笑顔と優しい声掛け
- 若年性認知症のご本人が混乱したり怒りを表したりしたとき、介護職員は内心の不安やストレスを抑えつつ、落ち着いたトーンで優しく声をかけ、笑顔を保ち、ケアを行う。
- 例: ご本人が「ふざけるな、だましたな」と繰り返し訴える場面で、「私たちは今の困り事や課題を一緒に解決する仲間ですよ」と笑顔で安心感・安全感を与える。
医療分野での具体例

- 患者への安心感の提供
- 医療従事者(看護師や医師など)が患者さんに処置や検査の説明をする際、患者の不安を軽減するために、穏やかで親身な態度を取りつつ冷静さを保つ。
- 例: 採血を嫌がる患者に対して、「少しチクッとしますがすぐ終わりますよ」と優しい声で説明し、笑顔で対応する。
福祉分野での具体例

- 相談援助業務での共感的対応
- 福祉施設の相談員が利用者さんやご家族から感情的相談を受ける際に、個人的に意見を述べたい気持ちを抑え、共感的に話を聞き、「それは大変でしたね」と気持ちに寄り添った態度を示す。
- 例:障害を有するご本人と職員がトラブルに発展し、ご家族に状況を説明している際に、職員の話を遮り『何回も伝えているではないですか』と感情優位な発言をされた際に、落ち着いて「この状況では・・・」と客観的事実をもと丁寧に対応する。
感情労働の共通点


- 抑制と表現の調整: 利用者さんや患者さんへの態度として「プロフェッショナル」であることを求められるため、労働者は自分の感情をコントロール(客観視して、理解して、対処)する必要があります。
- 心理的負担: 感情労働の負荷が大きいと、バーンアウト(燃え尽き症候群)やストレスの原因になることがあります。
介護、医療、福祉分野における感情労働は、対人関係の質を高めるうえで重要ですが、その負担を軽減するための職場環境や心理的サポートの整備が課題となっています。
2. 感情労働の特徴
- 表層演技(Surface Acting): 実際には感じていない感情を外面的に見せる。
- 深層演技(Deep Acting): 感情を内面的にも調整し、感じているように自分を説得する。
- 例: ネガティブ発言の顧客に対して本当に親切でありたいと自分を説得する。
3. 感情労働の商業化
- 労働としての商品化:
- 感情そのものが雇用契約の一部となり、労働力として消費される。
- 「顧客は常に正しい」という文化の中で、従業員は感情を商品として売る役割を負わされる。
- 影響:
- 労働者の感情が個人のものでなく、会社や顧客に「所有」される。
4. 感情労働がもたらす影響
- 心理的影響:
- 感情の「疎外(Emotional Alienation)」: 自分の本心と職務で求められる感情の間にギャップが生まれ、自己同一性が揺らぐ。
- バーンアウト(燃え尽き症候群)やストレスの増加。
- 職業的影響:
- 長時間にわたる感情の抑制が労働満足度やパフォーマンスに悪影響を及ぼす。
5. 感情労働とジェンダー
- 女性労働者への影響:
- ホックシールドは、感情労働が特に女性に期待される役割と結びついていると指摘しました。
- 女性は家庭内や職場で感情のケアを期待されることが多く、「二重の負担」を抱える。
※1979年に彼女の著書『The Managed Heart(管理される心)』の時代背景をもとにまとめられています。
6. 現代社会への示唆
- 労働環境の改善:
- 感情労働の負担を軽減するための労働環境整備の必要性。
- 労働者の感情を尊重し、過度の負担を避ける仕組みの構築。
- 労働価値の再評価:
- 感情労働は単なる「無形の労働」ではなく、明確な価値を持つ労働であるという認識の重要性。
来週は後半をお伝えします。楽しみにおまちください。
「介護・医療・福祉分野は感情労働」について、こんな考え方が他にもあります、現在活用中です、最新のデータはこちらです。等、みなさまからの情報がありましたら教えてもらえるとうれしいです(^^♪