GrASP ism

GRASPism⓴ 『BPSD 2nd』とは

tsumugi

弊社のサービスのケア・支援についてお伝えしたいと思います。
パート☝☝☝☝☝☝☝☝☝☝、☝☝☝☝☝、☝☝☝☝☝です!

こちら☝の数が増えるだけ、GRASPismを発信したというシンボルにしたいと思いますので、お付き合いの程お願いいたします(笑)

先週から引き続き、今週も若年性認知症の症状シリーズ、『BPSD』についてお伝えします。

BPSDの最新の考え方では、主に5つのカテゴリーに分類されています。今回はそれをさらに深堀してゆきます。

Ⅰ. 情動症状

情動症状は、感情や気分に関する変化を指します。ご本人が感じる感情が不安定で、日常生活に影響を与えることがあります。

陽性症状とは・・・通常よりもワイルドな形で感情や反応が強くなったり増幅されたり、行動の昂進があったり普段と違った感じ方をする状態を示す)

  1. 過度の不安
    • 意味: 普段は問題ない状況でも、極度に心配し、落ち着かなくなる状態。
    • : 家族が外出するたびに過剰に心配し、不安で落ち着かなくなる。
  2. 突然の泣き出し
    • 意味: 理由もなく突然涙を流すことがある状態。
    • : 家族と一緒にいるときに、急に感情的になり泣き出す。
  3. 過度の怒り
    • 意味: 小さなトラブルや出来事に対して、異常に激しく怒る状態。
    • : 食事の準備が遅れただけで激怒し、周りの人に対して攻撃的になる。
  4. 恐怖症状
    • 意味: 特定の状況や物に対して過度の恐怖を感じる状態。
    • : 大きな音や特定の場所に対して過度に恐怖を感じ、避けようとする。
  5. 過剰な興奮
    • 意味: 普段よりも異常に興奮し、落ち着かない状態が続く。
    • : 何もないのに常に動き回り気分が昂進して穏やかに過ごしにくくなる。

陰性症状とは・・・通常よりもデリケートな形で感情や反応が鈍くなったり減少したり薄れたり、行動の欠如があったり普段と違った感じ方を状態を示す

  1. 抑うつ症状
    • 意味: 常に気分が沈んでおり、興味を持っていた趣味や活動に無関心になる状態。
    • : 長い間楽しんでいたテレビ番組を見なくなり、友人との交流を望まなくなる。
  2. 気分の変動
    • 意味: 気分が急激に変わり、楽しい気分から憂鬱な気分に急転する状態。
    • : 楽しいイベント中に突然憂鬱になり、喜びを感じにくくなる。
  3. 過剰な自己嫌悪
    • 意味: 自分に対して強い否定的な感情を抱く状態。
    • : 自分の能力や価値について強く不安を感じ、自分を責める。
  4. 無気力感
    • 意味: 何もしたくないと感じ、全く動こうとしない状態。
    • : ベッドから出たくない、食事を取る気にもならない。
  5. 感情の鈍麻
    • 意味: 何に対しても感情が薄くなり、喜びや悲しみを感じにくくなる状態。
    • : 重要な出来事があっても感情的な反応がほとんどない。

Ⅱ. 認知症状

認知症状は、知覚や思考に関する異常を指します。これにより、現実の把握や理解に課題が生じます

1. 幻覚(幻聴)

      ◦ 意味: 実際には存在しない声を聞いたりすることがある。
      ◦  例: 誰かの声が聞こえる、電話の音が聞こえる、幻聴の相手と対話をしている。

      2. 幻覚(幻視)

        ◦ 意味: 実際には存在しないものを見たりすることがある。
        ◦  例: 見知らぬ人が家にいる、大量のアリが部屋にいる、血の海が一面に見える、部屋に動物がいる

        3. 幻覚(幻味/幻臭)

          ◦ 意味: 実際には存在しない味を感じたり、変な臭いを感じたりすることがある。
          ◦  例: 口の中に何も入っていないのに変な味がすると訴えたり、無臭の所で悪臭がすると訴える

          4. 幻覚(体感幻覚)

            ◦ 意味: 実際には存在しないものに触れられている感じや、痛みを感じたりすることがある。
            ◦  例: 怪我をしていないのに身体の一部に痛みを感じたり、何者かに叩かれたと訴え警戒する。

            5. 被害妄想

            ◦ 意味: 他人が自分に広範に渡って害を及ぼそうとしていると信じること。
            ◦ 例: 誰かが自分の家に侵入しようとしていると感じたり、仕事に行こうとすることを邪魔してくると感じる。

            6. 物とられ妄想

            ◦ 意味: 近しい人に根拠が薄弱であるにも関わらず、自分の大切な物を盗んだ強く思いこんでしまう。
            ◦ 例 : 財布や、現金、貯金通帳、宝石、鞄等が近親者や親しい支援者に盗まれたと思いこむ。

            7. 嫉妬妄想

            ◦ 意味: 自分のパートナーが他の人と不倫していると信じるなど、嫉妬に基づき思い込む。
            ◦ 例 : 夫・妻が買物や外出に出かけた際に、不倫をしているんだと思い込む

            8. 関係妄想

            ◦ 意味: 自分や自分の言動が特定の人や出来事に関連していると信じること。
            ◦ 例 : テレビやラジオ、新聞記事等の出来事を全て自分事として捉えて感情が揺さぶられる

            9. 追跡妄想

            ◦ 意味: 誰かが自分を追跡していると感じること。
            ◦ 例: 車や自転車に乗っている人が自分をつけていると信じる。

            10. 誤認妄想

            ◦ 意味: 身近な人や物を正しく認識できず、異なるものと認識すること。
            ◦ 例 : 自分の家族を知らない人だと信じ込み、敵意を示す。

            11. 微小妄想

            ◦ 意味: 自分は何もできず、役立たずであり、価値がないと思い込む。
            ◦ 例 : 自分は無価値で何もできない人間だと蔑んだりする

            12. 罪業妄想/貧困妄想

            ◦  意味: とんでもない罪を犯してしまったと思い込む。経済的に問題ないが貧しいと思い込む。
            ◦  例 : 忘れものをしただけで、皆に取り返しのつかない迷惑をかけてしまったと訴える。

            お金がないのでデイサービスの支払いができない訴える。

            これらは代表的なケースであり、ご本人が最大限の対処を行った結果です。考え方としては、幻覚や妄想状態に入ることで自分をこれ以上の混乱から守るという意味合いがあると研究結果から言われています。または、補いきれない状態を幻覚妄想の世界で過ごすことで、対人関係において対等な立場でなくなることを防ぎ、自己の重要感を満たしているといった考え方もあるようです。

            ご本人の心理的安全性が脅かされた結果、本来の状態とは程遠い様子を呈されています。安心・安全の環境、精神状態をいかに穏やかに充足した状態に繋げるかがポイントです。そのために、仲間とともにアクティビティに身を置き、『没頭・没我』の境地に入ることで、ご本人のレジリエンスを発揮するきっかけになると考えて言います。

            次回もさらに5つのカテゴリーを深堀していきたいと思います。

            『BPSDの情動症状・認知症状』について、私はこのように考えます、このような状態も加わってくると思います。こんな状況は当てはまりますか?等の情報がありましたら教えてもらえるとうれしいです。

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