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GRASPism⓱ 若年性認知症の『中核症状2nd』とは

tsumugi

弊社のサービスのケア・支援についてお伝えしたいと思います。
パート☝☝☝☝☝、☝☝☝☝☝、☝☝☝☝☝、☝☝です!

こちら☝の数が増えるだけ、GRASPismを発信したというシンボルにしたいと思いますので、お付き合いの程お願いいたします(笑)

前回に引き続き、若年性認知症の症状シリーズについてお伝えします。
今回は『中核症状2nd』です。

前回のおさらいです。中核症状は

➀記憶障害
➁見当識障害
➂実行機能障害
➃理解力・判断力の障害
➄失語
➅失行
➆失認

一般的にはこの7つに分類されます。

それでは、③実行機能障害、➃理解力・判断力の障害についてフォーカスしてみたいと思います。

③実行機能障害:計画、組織化、問題解決、意思決定などの能力に関連する認知機能の障害です。

上記の説明だけだと分かりにくいため、計画、組織化、問題解決、意思決定をもう少し掘り下げていきます。

  1. 計画:
    • 意味: 目標を達成するための手順やステップを考え、その順番やタイミングを決めること。
    • : 家族旅行の計画を立てる際に、どこに行くか、何を持っていくか、何時に出発するかを決める。
  2. 組織化:
    • 意味: 必要なものや情報を整理し、効率よく配置すること。
    • : 旅行に持っていく荷物を整理してスーツケースに詰める、または仕事で必要な資料をまとめておく。
  3. 問題解決:
    • 意味: 直面する課題や問題を分析し、解決策を見つけて実行すること。
    • : 旅行中に飛行機移動の予定であったが欠航となり、新幹線移動か車移動か電車移動か選択肢を定める
  4. 意思決定:
    • 意味: いくつかの選択肢の中から最適なものを選ぶこと。
    • : 旅行中に飛行機移動の予定であったが欠航となり、新幹線移動か車移動か電車移動か選択肢の中から移動手段を決める

違い

  • 「計画」はどのように進めるかを決める段階、
  • 「組織化」は物事を整理して準備する段階、
  • 「問題解決」はトラブルや課題に対処すること、
  • 「意思決定」は選択肢から選ぶこと。

それぞれが異なる認知機能を担当しています。

これらを踏まえて・・・・・

  1. 計画の立て方がわからない

意味: 目標を達成するための手順や順序を決める能力が低下している状態です。計画を立てる際には、何をいつどのように行うかを考える必要があります。
例: 簡単な料理を作る際に必要な手順を考えられず、どこから始めればよいかわからない。

  1. 組織化の困難

意味: 物事や情報を整理し、効率的に配置する能力が低下している状態です。適切に整理することで、物事がスムーズに進むようになります。
例: 部屋の片付けをする際に、物をどこに置くべきか分からず、混乱した状態が続く。

  1. 問題解決の困難

意味: 問題に直面したときに、適切な解決策を見つけ出す能力が低下している状態です。問題を解決するためには、複数の選択肢を考え、その中から最適なものを選ぶ必要があります。
例: 道に迷った際に、帰り方の方法(人に聞く、交番に行く、家族に電話する等)を考え出せない。

  1. 意思決定の困難

意味: 複数の選択肢の中から最適なものを選ぶ能力が低下している状態です。判断力が必要な場面で、どれが最も適切かを決定することが難しくなります。
例: 晩御飯をカレーと定めスーパーに行くが、食材選びに迷ってしまい、決められない。

  1. 集中力の低下

意味: 一つの作業に集中する能力が低下している状態です。作業中に注意が散漫になり、元の作業を忘れてしまうことがあります。
例: 作業中に他のことに気を取られて、元の作業を忘れてしまう。

  1. 順序立てて作業ができない

意味: 作業を行う際に、正しい手順や順序を守ることが難しい状態です。物事を順序よく進めることができなくなります。
例: 洗濯をする際に、まず洗濯物を入れる、次に洗剤を入れる、といった手順を正しく踏めない。

  1. タスクの切り替えが難しい

意味: 一つの作業から別の作業に移る際に、スムーズに切り替えることができない状態です。新しい作業に集中するのが難しくなります。
例: ある書類の作成が終わった後、次にメールの確認や返信をする必要があるときに、なかなか頭を切り替えられずに次の作業を始められない。前の仕事のことが気になって、すぐに次の仕事に集中できない。

  1. 時間管理ができない

意味: 約束の時間や作業にかかる時間を適切に管理する能力が低下している状態です。必要な準備や移動にかかる時間の見積もりが誤ることがあります。
例: 約束の時間に遅れる、もしくは早く着きすぎてしまう。

  1. フィードバックに基づいた行動修正が難しい

意味: 他者からのアドバイスや進言を受けて、それに基づいて自分の行動を修正する能力が低下している状態です。進言を反映することが難しくなります。
例: 他者からのアドバイスを受けても、同じミスを繰り返してしまう。

  1. 多段階のタスクが完遂できない

意味: 複数のステップや手順が必要な作業を、最後まで完了することが難しい状態です。途中で手順を忘れる、困難に直面して途中で放棄することがあります。
例: サラダを作るために野菜を選ぶ、野菜を切る、盛り付ける、ドレッシングをかける。何れかの段階でとまどいがあり、サラダが完成しない。完成しても一部が抜けてしまったりする。

➃理解力・判断力の障害:理解力・判断力の障害は、情報を処理して物事を理解する、適切な判断を下す能力が低下することを指します。これにより、日常生活や社会生活で困難を感じることがあります。

  1. 理解力の低下
    • 意味: 話されたことや書かれた内容を理解する能力が低下すること。
    • : 誰かが「今日の天気予報をチェックして、雨なら傘を持って行ってください」と言っても、その指示の意味が理解できず、傘を持たずに外出してしまう。
  2. 指示の理解が困難
    • 意味: 複数の指示がある場合に、それぞれの指示を理解して適切に行動することが難しいこと。
    • : 「冷蔵庫から牛乳を取り出して、テーブルに置いておいてください」という指示を受けると、牛乳の代わりにジュースを取り出してしまう。
  3. 選択肢の評価が難しい
    • 意味: 複数の選択肢から最適なものを選ぶ能力が低下すること。
    • : スーパーマーケットで、どのブランド(いつも買っている)の牛乳を買うべきか判断できず、どれを選んでよいかわからなくなる。
  4. 状況に応じた判断ができない
    • 意味: 現在の状況に基づいて適切な判断を下すことができないこと。
    • : コンビニによってジュースを買おうとした際に、小銭しか持ち合わせがなく支払いができない状況になってしまう(普段お札でしか支払いをしていないため)。
  5. 問題解決の困難
    • 意味: 直面する問題に対して効果的な解決策を見つけることが難しいこと。
    • : 電子レンジが動かなくなったとき、解決方法を考えられず、困ってしまう(電源を抜く、何度か操作を試す等)。
  6. 時間の感覚が鈍くなる
    • 意味: 時間の経過やスケジュールを適切に把握できないこと。
    • : 約束の時間を過ぎてしまう、または早すぎる時間に到着する。
  7. 感情の判断が難しい
    • 意味: 他人の感情や反応を適切に理解し、対処する能力が低下すること。
    • : 誰かが不機嫌な顔をしているのに、その原因や対応方法を理解できない。
  8. 因果関係の理解が難しい
    • 意味: 物事の因果関係を理解し、それに基づいて行動する能力が低下すること。
    • : 食べ物をこぼした原因が自分の不注意だと理解できず、他人のせいにしてしまう。
  9. 安全判断の欠如
    • 意味: 自分や他人の安全を確保するための適切な判断ができないこと。
    • : 交差点で信号が赤なのに横断歩道を渡ってしまう。幹線道路を渡ってしまう。
  10. 目的達成の見通しが立たない
    • 意味: 目標を達成するためのプロセスやステップを理解できず、適切に行動できないこと。
    • : 家の掃除をする際に、どこから手をつけるべきか分からず、全体的にどのように進めていけばよいかがわからなくなる。

どちらも似たり寄ったりで分かりにくい部分もあるかと思いますが・・・

私なりに分けて考える理由としては

  • 実行機能障害は、具体的なタスクや行動の実行に関連する障害です。計画を立てたり、手順を守ったり、問題を解決するプロセスに問題がある場合に見られます。
  • 理解力・判断力の障害は、情報を理解し、状況に応じて適切な判断を下す能力に関する障害です。物事の意味や感情、因果関係を理解することに問題がある場合に見られます。

相互の関係

これらの障害は相互に関連しており、一方の障害が他方に影響を与えることがあります。たとえば、理解力の低下があると、実行機能障害(計画や組織化の困難)が生じる可能性があります。また、実行機能が低下していると、理解力や判断力にも影響を与えることがあります。

つまり、認知症におけるこれらの障害は相互に関連しながらも、それぞれ異なる側面に影響を与えます。そのため、症状の正確な理解と適切な対応のためには、それぞれの障害を分けて考えることが有用となります。

このような症状を有した中で、若年性認知症の人は生活をしています。

日常生活は反射的に思考をともなわずに習慣化していることが大変です。

これらが全て思考をともないながら、日常生活が全てタスク化、課題になる毎日。想像するだけでも毎日にストレスがかかりやすい状態だと言えます。こんな日々が連続すれば、焦燥感に駆られたり、怒り易くなったり、混乱したりする気持ちが沸き起こることも、理解が追い付きやすくなります。

だからこそ、私たち支援者・仲間の支え合い助け合いが必須となります。実行機能障害や理解力・判断力の低下によって生活のしづらさを感じている若年性認知症の人の不得手を、周囲の人の力で補えばそれは課題ではなく、人間関係を育む感謝の機会になり得ます。「ありがとう」という言葉には、「あなたがいてくれてよかった」という承認を伝えるメッセージとしても届けられます。

次回は、➄失語、➅失行、➆失認についてお伝えします。

お楽しみに!!

『実行機能障害、理解力・判断力の障害』について、このような定義が最新ですよ、こんな場面もありますよね、等の情報がありましたら教えてもらえると嬉しいです。

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