『若年性認知症の提唱から現在までの変遷➀』について
弊社のサービスのケア・支援についてお伝えしたいと思います。
パート☝☝☝☝☝☝☝☝☝☝、☝☝☝☝☝、☝☝☝☝☝、☝☝☝☝☝、☝☝☝☝☝です!
こちら☝の数が増えるだけ、GRASPismを発信したというシンボルにしたいと思いますので、お付き合いの程お願いいたします(笑)
おかげさまで、30回目のブログとなります。毎度GRASPismに関心を向けていただきましてありがとうございます。
前回までは、ひとと集団シリーズを8回に渡ってお送りしてきました。
今回からは、基本に立ち返り『若年性認知症』についてエビデンスを用いながら、またGRASPの支援の中で「確からしさを積み重ね」得られた結果をお伝えしていきます。
まずは『若年性認知症の提唱から現在までの変遷』について解説します。
初老期認知症(presenile dementia)は、その提唱から現在まで大きな変遷をたどっています。その歴史を簡単にご紹介します。ちょっと難しい話になりますが、よろしければ最後までお付き合いください。
1. 19世紀後半から20世紀初頭:初老期認知症の提唱
「初老期認知症」という概念については、特にエミール・クレペリン(Emil Kraepelin)というドイツの精神科医が関与しています。19世紀末から20世紀初頭にかけて、クレペリンは認知症をいくつかの異なるタイプに分類し、その中で早期に発症する認知症として「初老期認知症」という概念を提唱しました。
クレペリンは、特に若年層で発症する認知症に注目し、これを「早発性認知症(Dementia Praecox)」と呼び、後にその一部がアルツハイマー病として再定義されていきました。1906年には、アロイス・アルツハイマーが記録した症例をもとに、認知症の一形態としてアルツハイマー病が知られるようになり、初老期に発症する認知症の一つとして位置づけられていったのです。
◆初老期認知症のエピソード◆
アウグステDは、50歳頃から記憶障害や失見当識に加えて、夫に対する嫉妬妄想を抱くようになり、症状は急速に悪化し、フランクフルト市立精神病院に入院し、1901 年11月25日に初めてアルツハイマーの診察を受けた。1906年8月8日にアウグステ Dは死亡して病理解剖が行われた。アウグステDの脳には、高齢者に認められるよう な著明な脳萎縮が認められたことから、 65歳未満で発症する認知症を「初老期認知症」と呼ぶようになった。
2. 20世紀中盤:初老期認知症の分類と研究の進展
20世紀中盤になると、認知症はさまざまな病態に分類されるようになり、アルツハイマー病もそのひとつとして確立されました。特にこの時期は、老年期に発症する認知症(Senile Dementia)と、比較的若い年代に発症する初老期認知症とを区別し、初老期認知症の特徴的な症状や経過に注目が集まりました。また、遺伝的な要因や脳の病理学的なメカニズムの研究が進み、発症年齢や進行速度などに関する詳細な知見が蓄積されました。
次回は、後半をお伝えします。歴史はわかりにくい部分があるためこちらの文章だけではなく、Instagramの方でも内容を確認いただけますと理解がより深まるかと思います。イラストわかりやすくまとめていますので大変おススメです。
「若年性認知症の提唱から現在までの変遷」について、こんな考え方が他にもあります、現在活用中です、最新のデータはこちらです。等、みなさまからの情報がありましたら教えてもらえるとうれしいです(^^♪
◆参考文献
1. 初老期認知症の概念の提唱に関する論文
- Alzheimer, A. (1907). “Über eine eigenartige Erkrankung der Hirnrinde.” Allgemeine Zeitschrift für Psychiatrie und psychisch-gerichtliche Medizin, 64: 146-148.
2. 認知症の分類とアルツハイマー病の確立に関する研究
- Blessed, G., Tomlinson, B. E., & Roth, M. (1968). “The association between quantitative measures of dementia and of senile change in the cerebral grey matter of elderly subjects.” British Journal of Psychiatry, 114(512), 797-811.
3. DSMやICDによる診断基準の改定と統合的理解の進展
- American Psychiatric Association. (1987). Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (3rd ed., rev.) (DSM-III-R).
- World Health Organization. (1992). The ICD-10 Classification of Mental and Behavioural Disorders: Clinical Descriptions and Diagnostic Guidelines.
4. 遺伝子研究とバイオマーカーに関する研究
- Goate, A., Chartier-Harlin, M. C., Mullan, M., et al. (1991). “Segregation of a missense mutation in the amyloid precursor protein gene with familial Alzheimer’s disease.” Nature, 349(6311), 704-706.
- Rabinovici, G. D., & Jagust, W. J. (2009). “Amyloid imaging in aging and dementia: testing the amyloid hypothesis in vivo.” Behavioral Neurology, 21(1), 117-128.
5. 認知症の予防と治療の進展に関する研究
- Livingston, G., Sommerlad, A., Orgeta, V., et al. (2017). “Dementia prevention, intervention, and care.” The Lancet, 390(10113), 2673-2734.