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 『若年性認知症の提唱から現在までの変遷➁』について

tsumugi

弊社のサービスのケア・支援についてお伝えしたいと思います。
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こちら☝の数が増えるだけ、GRASPismを発信したというシンボルにしたいと思いますので、お付き合いの程お願いいたします(笑)

前回に引き続き、『若年性認知症の提唱から現在までの変遷➁』について解説していきます。

3. 20世紀後半:認知症の統合的理解と診断基準の改定

1980年代から90年代にかけて、認知症に対する統合的な理解が進み、国際的な診断基準(DSMやICDなど)においても認知症の分類が確立されました。初老期に発症するアルツハイマー病は「早発型アルツハイマー病」としても知られるようになり、65歳を基準に初老期(65歳未満発症)と老年期に分けることが一般的となりました。また、神経学や画像診断技術の進歩により、脳の構造や機能をリアルタイムで評価できるようになり、初老期認知症の診断精度も向上しました。

4. 21世紀:呼称変更、遺伝子研究とバイオマーカーの発見

「初老期認知症」から「若年性認知症」への呼称変更は、おおむね2000年代前半に行われたと言われています。特に2004年ごろから、厚生労働省などの関連機関が「若年性認知症」という表現を使い始めています。この背景には、早期発症の認知症に対する偏見を取り除き、理解を促進する意図がありました。

※「初老期認知症」という表現は、年齢に特化していないため、若年層にも当てはまる認知症の症状や状況を的確に伝えるのが難しいとの声もあったためです。

2000年代以降、遺伝子解析技術の進歩により、初老期認知症に関連する遺伝子変異が複数特定されました。特に早発型アルツハイマー病においては、アミロイド前駆体タンパク(APP)※1やプレセニリン(PSEN1、PSEN2)※2といった遺伝子が関与していることが明らかになっています。また、アミロイドPET※3や血液検査などのバイオマーカー※4技術も進展し、認知症の発症前段階からリスクを把握できるようになってきています。

※1 アミロイド前駆体タンパク(APP)は、※2 プレセニリン(PSEN1、PSEN2)は、体の中にある「たんぱく質」で、特に脳で働いていますが役割が異なります。どちらも「アミロイドβ」というかけらがたまらないように、働いています。

※3 アミロイドPETは、脳の中の「アミロイド」という物質を調べる検査ですPETという『カメラ』で写真を撮る検査

※4 バイオマーカーは、脳の中の「アミロイド」や「タウ」の量や、『血液』に特定のたんぱく質があるかを調べる検査

今回は、後半をお伝えします。なんて前回お話ししましたが、情報量の関係から3部構成といたします。歴史はわかりにくい部分があるためこちらの文章だけではなく、Instagramの方でも内容を確認いただけますと理解がより深まるかと思います。イラストわかりやすくまとめていますので大変おススメです。

「若年性認知症の提唱から現在までの変遷」について、こんな考え方が他にもあります、現在活用中です、最新のデータはこちらです。等、みなさまからの情報がありましたら教えてもらえるとうれしいです(^^♪


◆参考文献

1. 初老期認知症の概念の提唱に関する論文

  • Alzheimer, A. (1907). “Über eine eigenartige Erkrankung der Hirnrinde.” Allgemeine Zeitschrift für Psychiatrie und psychisch-gerichtliche Medizin, 64: 146-148.

2. 認知症の分類とアルツハイマー病の確立に関する研究

  • Blessed, G., Tomlinson, B. E., & Roth, M. (1968). “The association between quantitative measures of dementia and of senile change in the cerebral grey matter of elderly subjects.” British Journal of Psychiatry, 114(512), 797-811.

3. DSMやICDによる診断基準の改定と統合的理解の進展

  • American Psychiatric Association. (1987). Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (3rd ed., rev.) (DSM-III-R).
  • World Health Organization. (1992). The ICD-10 Classification of Mental and Behavioural Disorders: Clinical Descriptions and Diagnostic Guidelines.

4. 遺伝子研究とバイオマーカーに関する研究

  • Goate, A., Chartier-Harlin, M. C., Mullan, M., et al. (1991). “Segregation of a missense mutation in the amyloid precursor protein gene with familial Alzheimer’s disease.” Nature, 349(6311), 704-706.
  • Rabinovici, G. D., & Jagust, W. J. (2009). “Amyloid imaging in aging and dementia: testing the amyloid hypothesis in vivo.” Behavioral Neurology, 21(1), 117-128.

5. 認知症の予防と治療の進展に関する研究

  • Livingston, G., Sommerlad, A., Orgeta, V., et al. (2017). “Dementia prevention, intervention, and care.” The Lancet, 390(10113), 2673-2734.
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