『フロー理論③』について
弊社のサービスのケア・支援についてお伝えしたいと思います。
パート☝☝☝☝☝☝☝☝☝☝、☝☝☝☝☝☝☝☝☝☝、☝☝☝☝☝☝☝☝☝☝、☝☝☝☝☝☝☝☝☝☝、☝☝☝☝☝、☝です!
こちら☝の数が増えるだけ、GRASPismを発信したというシンボルにしたいと思いますので、お付き合いの程お願いいたします(笑)
前々回から楽しい活動に身を置いている時に生じる「フロー」シリーズがスタートしました。
今回は具体的なフローの状態に入った若年性認知症の人について、アクティビティをともにしてきた経験をお伝えします。
1. 即時実行:迷うことなく次々と行動に移り、思考と行動が一体化する感覚

- 料理の準備をしているとき、必要な道具や材料を迷うことなく取り出して使い始める。
- 音楽を聴いているとき、自然に楽器を取って即座に演奏を始める。
- 洗濯物をたたむとき、種類ごとすぐに分類して畳み始める。
- 犬の世話をするとき、必要な行動が自然と流れるように実行できる。
2. コントロール感:自分が活動をコントロールしているという感覚が強まり、スムーズに進行します

- 自分のペースで散歩して、進み具合や方向を自由に決めて、ストレスを感じない。
- ベースを弾くとき、弦を自分の手で押さえ、リズムがうまく取れている感覚。
- 編み物をしているとき、毛糸とかぎ針を自在に使い、予定通りに作品が出来上がっていく。
- 弁当箱洗浄をしているとき、目の前の作業を着実に終わらせることで達成感を感じる。
3. 活動そのものが内発的報酬:外部の報酬に頼ることなく、活動そのものに満足感を感じる

- 絵を描くとき、絵を描いている過程自体が楽しく、完成を待たずして満足感を感じる。
- 園芸・庭いじりをしているとき、土に触れる感覚や花や植物を育てることそのものが満足感を与える。
- 音楽を聴くことが純粋に楽しみで、他人に評価されることなく自分だけの時間を満喫する。
- 毎日の軽いエクササイズをしているとき、動くことそのものが心地よくて楽しいと感じる。
4. 注意散漫の喪失:周囲の音や動きに気を取られず、完全に活動に集中できる状態

- 絵を描く際、周りの環境が全く気にならず、キャンバスに意識が集中している。
- ヨガや呼吸法を行っている時、心を落ち着けて、外界の騒音が全く気にならない。
- お菓子作りをしている時、混ぜる動作や容器への盛り付け具合にのみ意識を集中している。
- 動画を見ているとき、ストーリーや映像に完全に没頭して、周囲の環境が気にならない。
5. 自己意識の喪失:自分や他人の評価を気にせず、活動そのものに没頭する

- 写真を撮っているとき、他人にどう見られるかを気にせず、撮影に完全に没頭している。
- ダンスをしている時、他人の目を気にせず、身体を自由に動かして楽しんでいる。
- おこわを作っている時、作り方や見栄えに囚われず、作業そのものに集中している。
- 仲間と会話しているとき、思い出話に意識を向け、他人の評価や周りの状況に気を取られない。
6. 時間間隔の喪失:時間の流れを感じなくなり、活動に没頭するあまり、長時間が短く感じる

- テニスやボッチャなどプレイに集中していると、試合や練習があっという間に終わり、時間の流れが全くわからなくなる。
- 特定の被写体に集中し、シャッターを切る瞬間に没頭していると、時間が過ぎることを意識せずに写真を撮り続ける。
- 走りながら自分のペースに集中して、呼吸や足音に意識が向くと、気づいた時には長距離を走り終えている。
- パーティーなどの非日常のイベントに参加することで、3時間のイベントが一瞬で終わってしまう。
これらの具体的な例は、若年性認知症の方がフロー状態に入ることで、どのように充実した体験をするかを示しています。フロー状態に入ると、認知症によって影響を受けた認知機能が一時的に脇に置かれ、活動そのものに深く没頭することが可能になります。この時、短期的な記憶や注意力の低下といった認知症の特徴が、逆にフローを生み出す一因ともなり得るのです。なぜなら、フローの状態では「今この瞬間」に完全に集中することが求められるため、過去の出来事や将来の不安が意識の中に入り込む余地がなくなります。その結果、認知症に伴う認知機能の低下が活動に対する集中を妨げることなく、むしろその人が今、目の前のことに全力で向き合う瞬間を作り出せるのです。


フローに入ることで、認知症の人が持つ感覚や情動が活性化し、社会的な刺激や他人からの反応よりも内的な満足を感じるようになります。例えば、料理をしているとき、ただ手を動かすこと自体が心地よさを生み、その瞬間の成功や達成感が内発的な報酬となり、外部の評価を超えた充実感を得ることができます。この状態では、自己意識が薄れ、他人の目を気にせずに純粋に活動そのものに集中することができ、認知症の影響で発揮されにくくなった「自分らしさ」や「存在感」を、フロー体験の中で再発見することもあります。
また、フローは時間感覚の喪失を引き起こすため、過去の記憶の断片化や不安定さが一時的に消え、今この瞬間に集中することで、自己の存在が確固たるものとして感じられる瞬間が生まれます。この「今に生きる」感覚は、認知症の症状に脅かされた人々にとって、非常に深い安心感をもたらすことがあります。フローの状態は、時間が過ぎることを意識せずに活動に没頭することを可能にし、短期的な記憶の低下や先を見越した計画に依存しなくても、満足感を得る手助けとなるのです。
つまり、フロー状態に入ることで、若年性認知症の人々はその症状(中核症状・BPSD)に対する一時的な「解放」を体験することができ、活動に対する集中力や楽しさが最大化されることで、認知症の影響を受けた部分を逆手に取った充実感を得ることが可能になるのです。このような体験は、認知症の進行に伴う「失われた時間」の感覚を覆し、現在の瞬間を生きる力強い手段として機能すると言えるのではないでしょうか。
「フロー理論」について、こんな考え方が他にもあります、現在活用中です、最新のデータはこちらです。等、みなさまからの情報がありましたら教えてもらえるとうれしいです(^^♪