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『プルチックの感情理論③』について

tsumugi

弊社のサービスのケア・支援についてお伝えしたいと思います。
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前回に引き続き、感情シリーズでお送りし、今回も『プルチックの感情理論➁』」についてご案内できればと思います。

プルチックの感情の輪における感情の重なり

ロバート・プルチックの「感情の輪」は、感情が単独で存在するわけではなく、異なる感情が組み合わさることによって新たな感情が生まれるという考え方に基づいています。この理論により、感情はその強度や状況に応じて変化し、複雑で多層的な体験を生み出すことが示されています。以下に、感情の重なりを具体的な状況と共に説明します。

1. 喜び + 期待 = 興奮

  • :新しい挑戦に対して感じるワクワク感やエネルギー。例えば、転職先で新しいプロジェクトに取り組むことを楽しみにしているとき、喜びと期待が結びつき、エキサイティングな気持ちになります。これは、ポジティブな未来の可能性に対する高揚感を伴います。
  • 心理的背景:喜びは、ポジティブな出来事から得られる感情であり、期待は未来に対する希望や予測です。この組み合わせは、目標達成に向けたモチベーションとエネルギーを引き出します。

2. 怒り + 嫌悪 = 侮蔑

  • :不公平な扱いや不誠実な行動に対して感じる感情。たとえば、長年の友人が裏切ったとき、怒りと嫌悪が組み合わさり、相手に対して見下すような気持ちを抱くことがあります。この感情は、相手の行動に対して強い否定的評価を生み出します。
  • 心理的背景:怒りは自分の権利や価値が侵害されたときに生まれ、嫌悪は不快な対象に対して反応する感情です。この2つが重なることで、相手に対して感情的に遠ざかり、価値を認めない気持ちが生まれます。

3. 恐れ + 驚き = 恐怖

  • :予期しない出来事や危険に直面したとき。たとえば、突然の地震や事故に遭遇したとき、恐れと驚きが結びつき、体が強く反応してパニック状態に陥ることがあります。これにより、危険を回避しようとする本能的な行動が引き起こされます。
  • 心理的背景:恐れは生存本能に根ざした感情で、驚きは予期しない変化に対する反応です。両者が組み合わさると、体が即座に危機に対する反応を開始し、精神的にも混乱や不安を伴います。

4. 信頼 + 喜び = 愛

  • :深い信頼関係に基づく愛情。たとえば、長年のパートナーとの関係において、安心感と喜びが融合し、愛情を強く感じる瞬間です。愛は、信頼と共に成長し、相手に対する深い情熱や絆を生み出します。
  • 心理的背景:信頼は他者への安心感を生み、喜びはポジティブな経験をもたらします。この二つが合わさることで、相手を心から大切に思う気持ちが強くなり、愛情の感情が育まれます。

5. 悲しみ + 怒り = 憤り

  • :不正や理不尽な扱いに対して感じる感情。例えば、社会的に不平等な扱いを受けたとき、悲しみと怒りが重なり、憤りという強い感情が生まれます。憤りは、単なる悲しみや怒りとは異なり、行動を促す強いエネルギーを伴います。
  • 心理的背景:悲しみは損失や痛みを伴い、怒りはその痛みに対する反応です。この組み合わせにより、ただ受け入れるのではなく、状況を改善しようとする強い意欲が生まれます。

6. 信頼 + 恐れ = 不安

  • :大切な仕事や関係において、相手が期待に応えられるかどうか不安に感じるとき。例えば、重要な会議でプレゼンを任されたとき、自信はあるが相手がどう反応するかに対する不安を感じます。
  • 心理的背景:信頼は安心感を生み、恐れは不確実な結果に対する心配を引き起こします。この二つが重なることで、期待に対する不安や緊張感が増し、決断に対する迷いを生むことがあります。

7. 期待 + 驚き = 驚愕

  • :予期しない出来事が発生したとき。例えば、突然の昇進や重大な発表を受けて、期待していた以上の結果に驚愕する瞬間です。この感情は、予測以上の出来事に対する強い反応を引き起こします。
  • 心理的背景:期待は未来に対するポジティブな予測を意味し、驚きは予測を裏切る出来事に対する感情です。この組み合わせにより、強い感情的な反応や精神的なショックが生じます。

8. 喜び + 怒り = 激昂

  • :喜びの瞬間に他人から妨害を受けたとき。例えば、友人との楽しいイベント中に、誰かの無礼な行動が加わることで、喜びと怒りが重なり、激昂という感情が生まれます。この感情は、暴力的または衝動的な行動を引き起こすことがあります。
  • 心理的背景:喜びはポジティブな感情であり、怒りはそのポジティブな状態に対する攻撃的な反応です。この二つが結びつくことで、感情が非常に強く、制御が難しい状況になります。

結論

プルチックの感情の輪は、感情が単独で存在するわけではなく、強度や組み合わせによって多様な感情が生まれることを示しています。これにより、私たちの感情体験は常に動的で複雑であり、状況や背景によって大きく変化します。感情の輪を通じて、感情の本質やその変化をより深く理解することができます。

   

  1. 実際の感情体験への適応
    感情の輪を実際の感情体験に適応する方法は、日常生活における感情の複雑さをより深く理解するために役立ちます。例えば、感情が強さを持って重なり合うことにより、感情の変化や微細なニュアンスを理解することができます。
    • 感情の強度の変化:感情は単純ではなく、強度が変化することで体験されます。感情の輪の中心に近い感情(例えば「喜び」や「恐れ」)は軽度の感情として感じられることが多いですが、輪の外側に向かうと、感情がより強烈に感じられます。例えば、喜びが強くなると、興奮や歓喜に変わり、恐れが強くなると、パニックに繋がることがあります。
    • 感情の混合:隣接する感情が重なることによって、新たな複合的な感情が生まれるという考え方も、実際の感情体験に深く関連しています。例えば、「信頼」と「期待」が組み合わさると、「安心感」という感情が生まれ、「喜び」と「驚き」が結びつくと「興奮」や「驚きの喜び」といった感情が形成されます。これにより、感情が一面的ではなく、より豊かで多層的なものだと認識することができます。
  2. 感情の進化的役割
    プルチックは、感情が進化的に人間にとって有利な役割を果たすと考えました。彼の理論によると、感情は個体の生存に必要な適応的な反応であり、例えば恐れは危険から逃げるため、怒りは攻撃的な行動を促進するために発生します。
  3. 感情の多次元性
    プルチックは、感情が単純ではなく、多層的であり、感情の組み合わせや強度、複雑さに着目しました。たとえば、同じ感情でもその強度や状況によって異なる形で現れることがあります。感情の輪は、その多様性を視覚的に捉え、感情が単なる反応だけでなく、状況に応じた適応的な行動の一部として働くことを示しています。

このように、感情の輪を使って感情の体験を実際に理解することで、感情がどのように変化し、複合的に現れるか、そして感情が行動に与える影響をより具体的に捉えることができます。プルチックの理論は、感情の理解を深め、心理学的な視点から感情体験を多角的に捉えるための有力なフレームワークを提供しています。

「若年性認知症の提唱から現在までの変遷」について、こんな考え方が他にもあります、現在活用中です、最新のデータはこちらです。等、みなさまからの情報がありましたら教えてもらえるとうれしいです(^^♪

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