孤独な介護から、“相談できる介護”へ
こんにちは、GrASPスタッフのアリーです。
私の父は、かつて認知症の祖母を約10年にわたり在宅で介護していました。
当時は介護に関する情報が今ほど整っておらず、父が頼れるのは本やインターネット、あるいは知り合いの体験談くらい。介護認定を取るまでに4〜5年もかかったといいます。認定後も祖母自身に強い拒否感があったため、介護サービスはほとんど利用できず、相談先のない孤独な介護を続けていました。物のしまい込みや徘徊、食事の偏りや誤食といった日々の困難に直面しながらも、模索を重ねるしかなかったのです。
その経験を思い返しながら、私は今GrASPでご家族と関わっています。メンバーさんを支える日常のなかで、ご家族から「こんなときどうしたら?」と多くの相談をいただきます。介護の現場では当たり前の工夫も、ご家族にとっては「目からうろこ」になることがあります。
病院での診察は月1回など限られた時間です。だからこそ、毎日の様子を間近で見ている介護スタッフに気軽に相談できることは、ご家族にとって大きな支えになります。実際、すぐにお答えできることもあれば、スタッフ同士で意見を出し合いながら対応方法を一緒に考えることもあります。

あるとき父にこうした話をしたところ、「羨ましいな」としみじみ言っていました。当時の自分に、こんなふうに相談できる場があったらどんなに助かっただろう、と。
その言葉を聞いたとき、私は少し胸が熱くなりました。孤独に介護を担っていた父の姿を思い出すと同時に、そうした経験があったからこそ、今の自分が介護の仕事を選び、GrASPで働いていることに不思議なつながりを感じたからです。
介護は決してご本人だけのことではなく、ご家族を含めた「暮らしの営み」です。だからこそ、気軽に相談できる安心の場をつくることは、これからの社会にますます必要になっていくのだと思います。
GrASPがその一端を担えるように、私自身も日々学び、力を尽くしていきたいです。