令和4年度若年性認知症自立支援ネットワーク研修の講師を務めました
tsumugi
GrASP株式会社
こんにちは。GrASPスタッフのアリーです。
「おかえりなさい!」
お弁当配達を終えて帰ってきたメンバーさんが、晴れやかな表情でドアを開けます。
その笑顔に、事業所の空気がふわりと明るくなる瞬間があります。

GrASPでは、メンバーさんが地域とつながる“仕事”に挑戦しています。
お弁当の配達や移動販売でのおこわ販売、チラシのポスティング、お弁当容器の洗浄など――
どれも、誰かの役に立つ「しごと」です。
働くその姿は力強く、そしてどこか誇らしげ。
ご家族からは「家では見たことのない笑顔を見せてくれる」「ご機嫌で帰ってくるようになった」といった声も届きます。
「働くこと」と「支えること」。一見、別のもののようですが、GrASPではその境界が曖昧です。メンバーさんが働く姿にスタッフが元気をもらい、スタッフが支えることでメンバーさんの力が引き出される。この“支え合いの循環”こそが、ここでの日常をつくっています。
内閣府の調査によると、現在仕事をしている60歳以上の約9割が、引き続き高齢期にも高い就業意欲を持っているそうです。
“働く”という行為は、経済的な目的だけでなく、「社会の一員として誰かと関わること」「自分の役割を持つこと」――そうした生きがいを生む営みでもあります。
私たちは今、「支える側」と「支えられる側」という線引きを超えて、誰もがそれぞれの形で“働き”“支え合う”社会を目指す時代にいるのかもしれません。
GrASPの小さな取り組みの中にも、その未来のかたちが見え隠れしています。
メンバーさんが見せてくれるあの晴れやかな笑顔こそ、“働くこと”の本当の意味を教えてくれているのだと思います。